2012年6月3日日曜日

中学校で原発問題の授業をお手伝い(父と共演)

先日のブログで、杉並区立和田中学校の総合学習の授業をお手伝いしているとご紹介しました。

その授業が、今週の木曜日(28日)にありました。

テーマは「~原子力発電所、再稼動させる?させない?~」。
和田中学校の3年生が対象です。(授業の詳細はこちら

授業詳細のリンク先に飛んでもらえればわかるのですが、
この授業のゲスト講師の1人はうちの父!

こんな感じで親子共演しましたよ〜。



それはおいといて(笑)。

ちょうど28日の新聞各紙の1面はすべて「首相、大飯原発再稼働容認へ」。
いいタイミングで授業が組めました。

授業は45分授業を2コマ連続でやります。
体育館に3年生の全クラス140名が集まります。

みんな椅子をもってぞろぞろと体育館に集合。
なんか懐かしい感じ(笑)




まずは校長から生徒たちに問題が出されました。

「福島原発の事故前に、日本の総電力に占める原子力発電の割合はどれくらいだったか?」
「現在、日本には稼動可能な原子力発電所はいくつある?」






答えは30%と、50基。みんな悩み顔。
答えを知っていた生徒は少なかったみたいです。

ここで第一回目のアンケート。

「政府が安全と判断した場合、原子力発電所を再稼動させてもよいか? 再稼働すべきではないか?」の択一問題です。みんな真剣に回答してます。


次にグループになって、専門家への質問を考えるために話し合います。
さすが1年生からこの授業を受けているだけあって、みんなスムーズに議論をスタート。これには驚きました。





5分の議論のあと、各グループの代表が質問を発表。
質問はプロジェクターに写します。



それに対して専門家が回答。

下は原発の構造を説明する父。難しい内容でしたが、みんなメモをとりながらしっかり聞いてます。


今回は原発再稼働の安全性基準についての質問には父が回答、原発停止が経済に与える影響については中央電力の中村さんが回答しました。

専門家の回答が終わったところで、前半の45分が終了。
10分の休憩に入ります。

すごいのが休憩中も生徒さんが質問に来ていたこと。授業に対するモチベーションが高い。


休憩が終わり、次に登場するのがコレ。iPad。


専門家の説明を受けて、 iPadを使って4名でグループワークをします。



グループワークでは、グループで再稼働賛成、反対を話し合い、グループでの結論を出します。違う意見を持った生徒が着地点を探りながら、意見調整をします。

そして議論の結論&その理由をiPadに入力すると、
それが先生のPCに送られ、各グループの結論が一覧に!
このシステムは富士通に開発してもらったそうです。


気になる結果は 、なんと「稼働賛成」50%、「稼働反対」50%。
全36グループが18対18で割れたから驚きました。

専門家と質疑応答をして、グループでじっくり話し合った結果、原発再稼働についての中学生の意見は真っ二つに割れました。これは軽視できない結果でしょう。

政府は政治判断で大飯原発の再稼働容認に動き、強硬に反対していた橋下市長も「負けといえば負け」と言って、事実上の再稼働容認を表明しました。


でも世論調査を見ると、原発の周辺自治体と大阪市では「反対」とする答えがいずれも半数を超えてるんですねぇ。

僕は再稼働容認派ですが、生徒たちの議論や世論調査の結果を見ると、政府の「政治決断」の正当性っていったい何なんだろうと考えてしまいます。

政治家がこの問題を必死に考えていることは間違いないですが、政治家に決断を任せているだけでは、国民がその結果に納得できるのでしょうか。中学生だけじゃなくて大人もじっくり考える機会が必要だと思います。

閑話休題。

最後に授業前の打ち合わせの話。

なんと代田校長先生のポケットマネーで給食をご馳走になりました。

メニューは親子丼、豚汁、きゅうりのナムル風、牛乳。
1食303円とのこと。



これが美味してびっくり。話を聴いてみたら、以前給食で文部科学省表彰を受けたことがあるそうです。和田中はなんでも一番にならないと気がすまないのか(笑)




給食を食べながら打ち合わせ中の代田校長先生(手前)と、ゲスト講師である中央電力の中村誠司社長(左)と、うちの父でーす。


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